社会保険と国民健康保険っていったい何が違うの?

社会保険と国民健康保険って何が違うのか?
ずっと会社勤めでお仕事をしてきた方にはあまり馴染みがないかもしれない、国民健康保険。

40代の男性が転職や独立しようとする場合に、社会保険の制度について知っておかなければなりません。
会社員の場合、給料から天引きされているためそこまで意識することはありませんが、会社という組織を離れる場合には国民健康保険への切り替えが必要となります。

これは扶養家族がいる場合にも影響がありますので、しっかりその仕組みを理解して手続きをするようにしましょう。
今回は社会保険と国民健康保険の違いについて比較しながら考えてみたいと思います。

1、社会保険とは?

一般に社会保険という言葉は、日常的に使われる言葉ですが国の公的機関が行う「社会保険」と、会社で加入する健康保険と厚生年金のことを意味する「社会保険」と2種類の意味を持ちます。今回のテーマとなるのは、会社で加入する社会保険の話なのですが広い意味での社会保険という考え方をまず理解していきましょう。

<広い意味での「社会保険」>

社会保険を広い意味で使う場合、日本の社会保険制度のことを指します。国や地方公共団体などの機関が運営する制度であり、加入者が支払う保険料と国の負担により費用が捻出されています。考え方としては、病気・怪我・失業・老後の生活などのリスクを支える制度であり、国民の生活を保障するものとして設けられたものです。

種類は5種類に分類されます。

①医療
②年金
③介護
④雇用
⑤労災

上記5種類の保険です。国民がお互いに助け合うという考え方で設けられたものですので、必要な場合にほぼ給付されるものですが対象となる人は社会保険の加入と保険料の負担の義務を持つことになります。日本の社会保険制度は世界から見ても非常に充実しており、他の国からみても考えられないほどに「保険料の低さ」と「手厚い制度」を備えているといわれています。

<狭い意味での「社会保険」>

会社の経理などの会話で「社会保険」という場合は、前述した社会保険制度のうちの「健康保険」、「厚生年金」、「介護保険」の3つを指す用語として使われます。これらは公的な保険ですので加入者が自由に選べるものではなく、会社が決定します。それぞれみていきましょう。

① 健康保険

正社員として会社に勤めている人であれば、健康保険証を会社から渡されているでしょう。病院で治療を受ける際に提示することで個人の負担が3割となります。この健康保険は、病気・怪我・出産・死亡に対しての保証制度で、こうした際にかかる費用を負担するのがこの健康保険です。

独立開業した場合には、「国民健康保険」へ切り替えをすることになりますが、それは後述することにします。

② 年金保険

老後の生活に対しての保障をする制度で、積み立てに応じた金額を老後に受け取れるものです。障害年金や、遺族年金などもこの年金保険の一部です。会社に勤めているうちは「厚生年金保険」、独立開業した場合には「国民年金」に加入することになります。

③ 介護保険

40歳以上の人に加入が義務付けられている、高齢者に対する介護が必要な人に対する制度です。訪問介護や老人福祉施設などのサービスを受けることができます。保険料は基本的には健康保険や国民健康保険と一緒になっています。会社の給与明細を詳しく見ると40歳以上の人は介護保険の項目があり天引きされていることがわかります。

国民健康保険とは?

日本の健康保険制度は、全ての国民が入るのが基本的な考え方ですので会社を退職したからといって健康保険制度に加入しないという選択をすることはできません。考え方は会社勤めをしていた際の「健康保険」に替わるもので、病気・怪我・出産・死亡に対しての保証を行ってくれます。

また、40歳以上であれば介護保険もこの国民健康保険と一緒に支払いを行います。具体的にはどういった人が対象になるのでしょうか。詳しくみていきます。

<これにあてはまらない人が国民健康保険に加入する必要がある>

・会社員、または会社員の扶養家族
・船員保険に加入している、またはその扶養家族
・国民健康保険組合に加入している、またはその世帯家族
・75歳以上の人
・生活保護を受けている

基本的には「企業に所属しない」場合は加入することになるでしょう。

また、アルバイトやパートタイマーで働く人は会社に所属していても1週間の労働時間が30時間未満であれば国民健康保険へ加入することになります。

独立開業する人は健康保険から国民健康保険への切り替えが必要となります。

社会保険と国民健康保険の違いについて

それでは、具体的に社会保険と国民健康保険の違いをみていきましょう。既に述べてきたように社会保険と国民健康保険の考え方は一緒です。違いは大きく2点あります。

<保険料が違う>

社会保険の保険料は、会社が半分支払ってくれています。国民健康保険は全て自身で支払う必要があるため、会社を退職し独立開業した場合には国民健康保険の納税通知書の金額をみてあまりの高さに驚く人もいると思います。これは、個人によって金額が変わるために人それぞれですが、基本的には2倍支払う必要があるのです。

<扶養に関する考え方が違う>

社会保険は家族の保険料は納付しなくてもいいため、個別に納付する必要がありません。対して国民健康保険は世帯全体の所得に対して保険料が算出されるため、家族が多ければ保険料が高くなります。つまり、国民健康保険には扶養という考え方が無いのです。

任意加入制度について

会社を退職する場合には、健康保険から国民健康保険に切り替えが必要となりますがもう1つの選択肢があります。それが「健康保険の任意継続」です。これは、退職後も会社で加入していた健康保険に引き続き「個人で加入」するというものです。

ただし、会社員であった際の保険料は会社が半分負担してくれていましたが「任意継続」の場合には個人で全額を支払うことになります。単純に2倍の支払いが必要になります。しかし、前述したように社会保険には扶養の考え方があるため、扶養家族の分の保険料が発生しないというメリットがありますので、家族がいる人は検討する価値があるでしょう。

「健康保険の任意継続」に加入できる期間は、2年間という決まりがあります。

また、保険料に関しての考え方が厳しく、保険料の支払いが1日でも遅れてしまった場合にはその資格を喪失してしまいます。これまでは給与から天引きされていたので、納付は自身で行なわず会社が手続きをしてくれていました。

ただし、自身での支払いが必要ですので支払いは忘れないように手続きを行いましょう。加入期間の2年間を満了した時には、国民健康保険へ加入する必要があります。

「健康保険の任意継続」の加入は自身で行う必要があります。会社では行ってくれませんので注意しましょう。現在住んでいる地域の「協会けんぽ支部」にて手続きをします。場所は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」のホームページから検索することができます。

郵送での手続きも可能ですが、退職日の翌日から20日以内に書類が届いている必要がありますので注意しましょう。もし、書類に不備があった場合に対処に時間がかかるため、できるだけ窓口に行って手続きすることをおすすめします。

手続きに必要な書類は、窓口にある申出書と保険証の記号と番号がわかるもの(コピーや番号の控え)と本人確認書類です。扶養家族がいる場合には、扶養家族のマイナンバー確認書類が必要になります。任意継続する場合には、保険証を会社に返却する前にコピーを取っておいた方がスムーズに申請することができます。

社会保険から国民健康保険への切り替え手続き

さて、社会保険の任意継続をしないと決めた場合には、社会保険から国民健康保険への切り替え手続きが必要となります。

その場合には、退職してから14日以内に手続きを行わなくてはなりません。手続きをしない場合には、万が一、病気や怪我をしてしまい病院にかかった場合には治療費の10割を支払うことになってしまいます。速やかに手続きを行うようにしましょう。

手続きをする場所は、現在住んでいる市区町村役場の国民健康保険の窓口です。手続きそのものは、難しくありません。まずは書類を準備しましょう。必要な書類は以下の通りです。

<社会保険から国民健康保険への切り替え手続きで必要な書類>

・退職日が証明できるもの
・身分証明書
・マイナンバーカード、または通知カード
・印鑑

退職日が証明できるもの、というものがイメージしにくいと思いますが「退職証明書」というものがあり会社の総務担当に依頼して発行してもらうことができます。

基本的にはこの書類で対応してもらえますが、自治体によっては他の書類を求められる場合があるようですので、事前に確認しておくといいでしょう。
基本的には、窓口で手続きをした場合には健康保険証はその場で発行してもらうことができます。

国民健康保険費を節約する方法

会社を退職して、国民健康保険への加入手続きが無事できて一安心した方も、国民健康保険の納付書の金額があまりに高く驚いた人もいるのではないでしょうか。
前述してきたように今まで会社と個人で負担を折半してきたからなので、今までのイメージより高額に感じることもあると思います。「できる限り節約したい」と誰もが思うのは当然です。では、節約する方法を考えてみましょう。基本的には大幅な節約はなかなか難しいといえます。

しかし考えつく限り下記にまとめてみました。かなり大きな決断を必要となる場合もありますのでしっかり検討をして自己責任にて行動するようにしてください。

<国民健康保険費を節約する方法>

・保険料が安い市区町村への引っ越し
・ポイントカードを使って支払い
・国民健康保険組合に加入する
・軽減、減免の申請を行う
・自営業の法人化
・世帯をまとめる

<保険料が安い市区町村への引っ越し>

国民健康保険料費は、市区町村において異なります。それは自治体により保険料の計算方法が違う、独自の制度があるからなのですが、年間を通じて何十万もの違いが出る可能性があります。保険料だけで住む場所を決めるという理由にはならないと思いますが、知識として知っておくといいかもしれません。

<ポイントカードを使って支払い>

支払いの際にポイントカードなどが貯まる支払い方というのは、誰もが簡単にできるものです。例えば納付書はセブンイレブンで支払うことができるため、nanacoカードを利用してポイントを貯めることが出来ます。もちろん保険料そのものが安くなるわけではありません。例えば国民健康保険料が3万円だとして還元率が1%だったとします。月に300円のポイントが貯まります。これが年間ですと3600円になりますので、少しの努力で節約になると考えれば悪くないかもしれません。また、Yahoo公金というインターネットサービスがありますが、これはクレジットカードで国民健康保険料を支払うことができるため同様にポイントを貯めることが出来ます。納税手数料もかかるので差し引きでどういった支払いが一番お得なのかを考える必要がります。

<国民健康保険組合に加入する>

個人事業主の場合には、国民健康保険組合に加入するとその保険料が節約できる可能性があります。誰でも加入条件に当てはまる訳ではありませんので、自身の職種で加入できるか調べてみるといいかもしれません。国民健康保険組合とは、同種の事業の従事者を組合員として組織される組合のことをいいます。

<軽減、減免の申請を行う>

国民健康保険料は被災した場合や収入が低い場合には軽減、減免の申請を行うことができます。市区町村で違いがあるため、対象となる可能性がある場合には調べてみるのもいいでしょう。

<自営業の法人化>

個人事業主として独立した場合には、法人化することで国民健康保険料を節減することができるかもしれません。法人化すれば、協会けんぽ等の保険制度に加入し、家族を扶養の扱いにできます。しかしながら、法人化するには法人税の申告になる等の様々な変化に対応する必要がありますので、総合的に検討する必要があるでしょう。

<世帯をまとめる>

自治体により国民健康保険料の計算方法は異なりますが、世帯ごとに保険料を課す地域があります。その場合には2つの世帯があった場合に1世帯にまとめることができれば節約につながる可能性があります。しかし、世帯合併は国民健康保険料だけでなく利用している制度によりデメリットが生じる可能性がありますのでしっかり検討するようにしてください。

いかがでしょうか、ここまで健康保険と国民健康保険について詳しく調べてきました。会社員であったときはさほど意識しなかった健康保険も、独立開業する場合には自身で考える必要があります。もし、独立開業する場合には四十路の転職ネットがおすすめするこちらのサイトも参考にしてみてください。

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