退職後の年金の手続きをお忘れなく

40代で転職活動を行い、無事成功し退職する際に注意したいのが年金について。

年金と一言でいっても3種類の制度があります。「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3種類です。
会社員であった頃は「給与から天引きされているな」というくらいの認識しかないかもしれませんが、会社を退職した場合には「厚生年金」から「国民年金」への切り替えをする必要があります。そもそも厚生年金と国民年金の違いを理解していない人もいるかと思いますのでここでしっかり確認を行いましょう。

またこれから会社を退職して独立開業した場合には、年金制度の給付が少なくなる可能性があります。将来の見通しをどのように考えたらいいのかを見ていきましょう。

そもそも年金制度とは何か

「年金制度」のことはご存知ですか?と聞かれ、「働くけるときに払っておいて定年になってから年金がもらえる制度」くらいの知識しかない人もいるかもしれません。

会社を退職し、独立開業をする方は厚生年金から国民年金への切り替えをする必要があります。この理由もわからずに手続きだけを淡々をする人もいるかもしれません。しかし、どんな制度なのかを理解して手続きをするようにしたいものです。まずは、年金制度について考えてみましょう。

年金制度は老後、障害・死亡のリスクに対応するための制度です。わかりやすくいうと「老後の生活」「障害を負ったとき」「亡くなったとき」を国民の皆で支えあうという考え方の制度なのです。こうした仕組みを少し難しい言葉でいうと「賦課方式(ぶかほうしき)」といいます。年金の種類も前述した3種類があります。

「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3つですね。定年になってから受給できるのが「老齢年金」であり、年金制度はあと2種類もあるのです。まずここをおさえておきましょう。

<老齢年金>

高齢者の老後のくらしを支えるために給付される年金のことを「老齢年金」といいます。

この老齢年金にも2種類あり、それぞれ老齢基礎年金と老齢厚生年金といいます。老齢基礎年金は65歳になると終身給付されます。老齢厚生年金は、老齢基礎年金に加え会社で働いていた期間に加入していた人が給付されます。それぞれ、保険料を納めていた期間によって年金の額が異なります。

「いくらもらえるの?」というのは誰もが興味があると思います。20歳~60歳になるまでの40年間国民年金を払っていた場合、満額の老齢基礎年金の受給額は平成30年度現在、年額で779,300円となります。月で割ると1ヶ月あたり64,941円ということになります。

これに加えて、老齢厚生年金に加入していた人は上乗せになるという考え方ですね。この考え方は残り3つの障害年金や遺族年金も同様になります。

<障害年金>

障害年金とは、病気や怪我などで障害が残った人に給付される年金のことをいいます。

老齢年金と同じように、障害年金にも2種類あり「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、障害等級1級、障害等級2級にあてはまる人は障害のある状態のあいだ、給付されることになります。

<遺族年金>

遺族年金とは、家族の働き手が亡くなったときに、家族に給付される年金をいいます。同様に遺族年金にも2種類あり、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があります。年金に加入していた人が亡くなったときに、その家族に給付されることになります。

単純に「年金」と一言でいっても3種類あり、国民の最低限の生活を皆で支えあうという制度なのです。これが年金制度の基本ですが、この制度の成り立ちを次の項目でみることにしましょう。

年金制度はなぜ始まったのか

現在では、20歳~60歳の国民の全てが加入する国民年金ですが、日本においてこの年金制度がなぜ必要になったのでしょうか。年金制度の始まりについてみていきましょう。

その話は1930年代にまでさかのぼります。このころの日本は農業中心だった時代から少しずつ変わり始めていたころで、重化学工業などの発展によりその仕事を求めて農村から都市に移り始め、人々の健康と安定を求める運動が起こり始めた時代でした。1938年に国民健康保険が始まりました。

政府はさらに社会保障の充実のために年金保険を導入しようと考えました。最初に1939年に船員保険法が始まりました。最初は船員に対してのみの制度でしたが、これが全体の労働者へとその対象を広げていったのです。

1941年に年金制度が誕生し、1944年に厚生年金保険と改正されていきました。自営業者にはこのときには加入するシステムは無かったのですが、多くの労働者が厚生年金保険の対象となりました。この時には、5人未満の従業員しかいない会社は加入しなくていいことになっていたため全ての労働者に対応するため、1959年に国民年年金制度が誕生するのです。それを改正したものが1961年の国民皆年金体制がスタートしました。これが現在の年金制度の基盤となっています。

経済が成長するまでの日本は農民や漁師などの自営業を営み、家族で生活を共にしていました。自身の親も当然、子供が面倒をみるという時代だったのです。農村から都市部へと働き手が移り住むことで、その形が大きく変わっていきました。老人が1人で生きていくための糧の確保がどうしても必要になったのです。

つまり年金制度の始まりは経済が成長し、家族が別居して働くようになったため自身の親の面倒を見ることが出来なくなったからだといえるでしょう。年金制度は、核家族化と人口老齢化に対応するための制度として始まったのです。この制度の誕生により「自分自身の老後の不安の解消」と「若い世代が抱える親の世話」という不安を取り除く役割を果たすことになったのです。

国民年金と厚生年金の違いとは?

ここまでで、年金制度というものが生活上のリスクから国民を守る制度だということが理解できました。そんな年金制度には「国民年金」と「厚生年金」の2種類があることはご存知だと思います。その違いをみていきましょう。

日本では国民年金に20歳~60歳の国民の全てが加入し、会社員は厚生年金にも加入します。その保険料は平成30年時点では月額16,340円で、厚生年金は標準月額に応じて保険料が変わります。また、厚生年金保険料は会社が半分出すという決まりになっています。

単純に厚生年金に加入している会社員の方が、「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3種類の給付が手厚くなります。つまり、会社員を辞めて独立開業をする人は、厚生年金の加入を取りやめることになります。そのことをしっかり理解しておく必要があるでしょう。

つまり、老後・障害・遺族の3種類において給付がこれから少なくなってしまします。そうしたリスクも理解したうえで、将来設計する必要があるのです。

厚生年金から国民年金への切り替え手続き

会社をこれから退職し独立開業をする、すぐに再就職しない場合には「厚生年金」から「国民年金」への切り替えをする必要があります。

手続きは難しいものではありませんので、しっかり確認しておいてください。会社から退職してから14日以内に行う必要がありますので早めに手続きをすすめましょう。

場所は市区町村役場の国民年金窓口で行います。必要な書類は年金手帳、退職証明書などの退職日が証明できる書類、印鑑、身分証明書です。おおよその場合は国民健康保険の切り替えと同時期になると思いますのでセットで手続きをするようにしましょう。

現在の日本の年金制度では20歳~60歳の人は必ず年金制度加入しなければなりません。この手続きを行わなかったとしても、自動的に会社の退職日の翌日から厚生年金から国民年金への切り替えを行ったことになります。手続きが必要なのは未納期間が無いように確認をするためです。どのみち手続きをしておけば安心です。忘れずに行いましょう。

免除・猶予の制度とは?

将来のリスクのための年金制度ですが、会社を退職してこれから手元にお金が必要という人も多いと思います。そんな人たちは「今の生活が先決」と思うでしょう。しかしながら、日本に住んでいる限り年金制度は必ず加入が必要となります。もし、そういった場合であれば、国民年金の免除・猶予制度を使うことが出来ます。納付しないまま放置しておくと、最悪の場合には預貯金の凍結、給与の差し押さえなどの行政処分を受けることになってしまいます。

経済的に納付が困難な場合は免除・猶予申請をしっかり行っておきましょう。いくつか種類がありますので、種類ごとにみていきましょう。

<全額免除制度>

国民年金の全額が免除となる制度です。年金受給資格と1/2の年金額が保障されることになります。わかりやすくいうと、全額免除ですが半分の年金の受給資格があるということになります。

<一部免除制度>

国民年金の一部納付を行い、年金受給資格とその金額に応じた年金額が保障されます。

<若年者納付猶予制度>

50歳未満で所得が一定以下の場合に、年金受給資格が保障されます。

<学生納付特例制度>

学生で所得が一定以下の場合に、年金受給資格が保障されます。

<退職特例制度>

職を失った場合に「免除制度」「納付猶予制度」の申請ができます。

申請の種類はいくつかありますが、基本的には自身の状況を窓口で話せばどういった方法があるかを相談できます。面倒がらずにまずは相談窓口に足を運び、手続きを済ませておきましょう。

独立開業した場合にはどのような将来設計が必要か

会社を退職して、厚生年金から国民年金への切り替えを行った場合や免除申請をした場合には、将来の備えがやや心配になった人もいるかと思います。

平均的な会社員のモデルケースでは年金は月額160,000円受け取れる計算になりますが、最初から国民年金のみでは前述したとおりの月額64,000円となってしまします。もちろん、厚生年金を払っていた期間がある場合はここまでの差がつくことはありませんが、それでも独立開業した場合には自分で老後のことを考えていく必要があるのです。

今後は、平均寿命も延びていくことが予想されますので、老後の生活においても経済的にしっかり自立していたいと考えるのであれば早めに備えを進めるのが正解でしょう。

もちろん人により備えの仕方は自由ですが、1つの例として「国民年金基金」というものがあります。

フリーランスや独立開業した場合に老後の資金準備として有効な手段として広く知られているものです。少しだけ詳しくみていきましょう。「国民年金基金」とはそもそも会社員等との年金の差をなくそうとしてつくられた公的な年金制度の一種です。

具体的にいうと、国民年金と国民年金基金をセットにすることで、将来への備えをしようというものなのです。独立開業した場合に老後の資金準備をするうえでは3つのポイントがあります。

①終身型であること
②給付額が決まっていること
③掛け金の支払いの際に節税効果があること

この3点といわれています。国民年金基金はこの3点をカバーしており、ライフプランに合わせて自由に組み立てられるという利点があり、早期に加入しておけば税制上のメリットも長期間にわたって活かすことができます。興味のある人は自身で調べてみるといいかもしれません。

さて、ここまで「知っているようで意外としっかりと知らない年金制度」についてみてきましたがいかがでしたでしょうか。最後にまとめてみたいと思います。

<意外としっかり知らない年金制度>

・年金制度とは国民の皆で支えあうという考え方の制度である
・年金には「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3種類
・会社員は厚生年金に加入していたが、退職すると国民年金に切り替えが必要
・年金制度は、経済の発展で家族が別々に暮らすようになって生まれた制度
・厚生年金は会社が折半して支払ってくれていた
・厚生年金から国民年金への切り替え手続きは14日以内
・厚生年金から国民年金への切り替え手続きは市区町村役場の国民年金窓口で行う
・国民年金には猶予・免除の制度がある
・独立開業した場合には将来の備えを自身で考えることが必要

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