会社を円満に辞める方法について

会社を円満退職するということは、難しいものです。会社としては、退職した人がいなくなった後もチームでカバーしその業務の補填を行わなければなりません。

新しい人が成長するまでには当然時間がかかりますし、社内だけの問題でなく取引先の人の信頼関係にも影響があります。
そのため、退職する人は辞める本音はどうであれ、誠意をもって会社に対して意志を伝え円満に退職することが重要です。また自分の業務の引継ぎなどをしっかり行い、退職後も会社のメンバーと人間関係を保っていけるように努力しましょう。円満退社はあなたにもメリットがあります。

今回は「円満に会社を辞める方法について」考えていきましょう。

退職を考える前に

転職を決断する前に、次の行動にしっかり備えて退職に踏み切りたいところです。会社としても突然に仕事を辞めて投げ出されてしまっては、現場が大きく混乱する可能性があります。
しっかりと物事を順序立てて、行動することが必要です。また、勢いだけで考えているのであれば一度冷静になって「本当にやめてもいいのか?」ということを再度考えることも大事です。

頭を整理するために重要なのは、紙に書き出してみるということです。

これをすることによって客観的な視点になれるためにおすすめです。では、まず「なぜ自分が今仕事を辞めたいのかという理由」を箇条書きに書いてみましょう。
そして別の紙に「仕事を辞めない場合、なぜ辞めないのか」を書き出していきます。これによって、単純に天秤にかけることができるようになります。
この「退職すべきかどうか」という判断には正解はありません。

この天秤をよく考え、それでも「辞めたい」という理由が勝つのであれば次のステップに進みましょう。

退職の前に確認すべきこと

40代の男性が転職を考えるとなると、かなり大きい決断になります。まずは冷静になって客観的に確認すべきことは何かを明確にし、事務的に1つ1つこなしていくことが必要です。特に会社の人事担当とは、辞めた後にも事務業務でお世話になることもありますので、どうせ辞める会社だからなどと考えずにしっかりとした対応をしましょう。

会社を辞めることを明確に決めているのであれば、事務的に確認するのは大きく下記4点になるでしょう。

<退職前にしっかり確認すべきこと>

・有休の残日数と処理の仕方について
・社会保険はどうなるか
・失業保険はもらえるのか
・退職金はもらえるか

<有休について>

まず、有給休暇の残日数を把握することです。この残っている日数と、計画的に取得できる日を計算して退職したい日の希望を上司に伝えるべきだからです。

有休は40代の男性であれば仕事が忙しく、なかなか消化できないケースが多く使えずに残っていることが多いと思います。
この有休の使用は労働者としての権利ですし、買い取りは原則対応してくれません。現実的にしっかりと消化できる計画を検討しましょう。

<社会保険について>

特に退職後に独立開業を目指す人にとって社会保険は、重要な確認事項です。日本に住む限りは、必ず社会保険に加入する必要があります。

①別の会社に転職する場合は社会保険②独立開業し、自営業者になる場合は国民健康保険になります。また、③として「独立するが、現在の会社の健康保険を継続する」という選択も可能です。

これは2年までの継続が可能で、「任意継続」と呼びます。会社の在籍時は1/2の負担で給与から天引きされていたと思いますが、独立する場合は全額を自分で払う必要があります。
②と③では支払う金額が若干変わってきますので、自分が得をする方をしっかり調べて選択しましょう。
金額は個々の条件により異なるために明確に伝えることができませんが、「給与が高い人」や「扶養者が多い人」は任意継続を選んだ方が安くなる可能性があります。

<失業保険について>

退職した場合に、失業給付金がいつから支払われるのかというのは非常に重要な問題です。
40代の男性が退職する場合には、ほとんどの場合に対象になると思われますが退職する理由が「自己都合」の場合には、ハローワークに登録後1週間と3ケ月後から支給が開始となります。

そのため、退職後のお金はしっかり計算しておく必要があるでしょう。

<退職金について>

そもそも退職金とは、会社の制度であって義務付けられているわけではありません。自分の会社に退職金制度があるかまず確認してみましょう。会社独自の制度である以上は、人事や経理の担当にしっかり確認して退職の手続きをした方がいいでしょう。また、退職金制度がある会社の場合でもすぐに支給されないこともあります。ある程度の貯蓄に余裕をもって退職の準備は進めた方がよさそうです。

会社は円満に辞めるべき

「円満退社」とか「円満退職」という言われ方がありますが、退職する人から考えても辞める会社と双方が納得してスムーズに退職する方にメリットがあります。一般的には社内人の最低限のマナーです。その理由を考えてみましょう。

会社のメンバーとは会社を退職した後も人間関係が続きます。例えばそれは友人関係でももちろんそうですが、ビジネスにおいても円満に退職した社員を応援してくれる立場になってくれる可能性があります。例えば、退職後に独立開業した場合にはお客様になってくれるかもしれませんし、口コミで積極的にあなたの商品やサービスを広告してくれるかもしれません。それは、退職した人の人間性に理解があり、信頼関係があるからです。場合によっては会社の仕事をアウトソーシングしてくれる可能性すらあります。必ず会社とは円満の関係を築いたままで退職すべきなのです。

退職の意志を伝える切り出し方に気を付ける

まず、退職をする場合上司にその意思を伝える前に就業規則を確認しましょう。会社によって退職願を提出してから、退職日までの期間などをしっかり確認することが必要です。有休などの残日数と照らし合わせ、自分で退職日を決定しましょう。退職の意志を伝えるのは直属の上司です。たとえ人間関係が悪くても、これは社会人のマナーですので直属の上司にまずはその意思を伝えます。

「部長、大切なお話があるのですが」と切り出してしまうと、辞めたいのか?と上司にも周囲のメンバーにもそれが伝わってしまうことがあります。まずは、上司と1対1になれる環境を作ることが重要です。例えば「今回の案件についてちょっとご相談があるのですが」と切り出しておいて、1対1になった段階で「実は…」という切り出しでも良いでしょう。会社はチームで仕事をしています。周囲の影響も十分に考え、配慮のある行動をしましょう。退職する人は、「退職の意志を伝えれば終わり」と安易に考えるかもしれませんが、上司の立場からすると、退職する人の後任の決定や、取引先の担当の変更、チームメンバーの補充などを検討しなければなりません。退職する人がいても会社のプロジェクトを変更するわけにはいきません。滞りなく、業務を行える仕組みを再構築する必要があります。

退職の理由はどうする

社会人であれば、退職の理由で言うべきことと言わなくていいことの判断をしておきましょう。まず、考えるべきことは会社にとって悪い発言は辞めるべきです。労働環境が悪い、人間関係でトラブルがあった、仕事の内容に満足できない…。このあたりは本音なのかもしれませんが、言っても誰にもメリットになりません。もし、「会社が変わるのであれば自分が発言すべきだ」という正義感をもってこういった発言をするケースがあるのですが、上司は「辞める人間のただの愚痴話」としか受け取ることができません。会社を本当に良くしようと思っている人間は退職の際でなく、仕事を継続しながら改善しようと思うはずです。ですので、マイナスになる発言はしない方が賢明です。

退職の理由は、個人的に素直に伝えるべきであるケースもあります。例えば「この会社ではできないが独立して経営者を目指したい」「家を継がなければいけない」などです。基本的には、「自分の目指す方向が、この会社に入社した時と変わった」ということになると思います。基本的には会社を辞めるのは「余程の事」であるはずですので、その新しい道のやりがいや見通しの話などをしっかりと話せば、上司としては聞き入れざるを得ないということになるはずです。その結果、上司も「君の新しい未来を応援する」ということになれば、円満に退職できる可能性が高くなります。逆にマイナス面を退職の理由にあげ、感情的に伝えるようなことになると退職まで、かなり肩身の狭い思いをしてしまうことになるでしょう。理由1つで方向性が変わってしまうのです。この点は非常に重要ですので、伝えるべき事と伝えるべきでない事をあらかじめ決めておきましょう。

退職日の決定について

前述したように、上司は退職する人が会社から去った後にプロジェクトの継続する立場にあります。そのため、退職までの日はできるだけ期間に余裕が欲しいはずです。必ず上司は退職日の希望をあなたに確認するでしょう。その際には「私としては〇月〇日を考えております」という切り出しでまず自分の考えを明確に伝えるべきです。そうしておいて、その理由を引き継ぎ期間、有休の所得、繁忙期と閑散期などの観点から話しましょう。この退職日の相談については、それぞれの会社によって事情が異なるので「私は考えていますが、どうでしょうか」という提案する形にするのがいいでしょう。

この退職日の「決定権」は会社側や退職する側になるというものはありません。ですので、会社との関係性を維持するために「相談には応じますが、自分の中ではこの日をもって退職したい」という話し方が無難だといえます。また、在籍中にボーナスの支給日がある場合には会社によってはボーナスの金額が減給されることがあります。これは会社のボーナスの考え方の違いがあるからです。例えば、「ボーナスとは将来への期待を含めた査定」という基準である場合には「将来の期待」はもうないわけですから、査定に影響があるのは当然のことだ、といえるわけです。

ちなみに「退職願」と「退職届」の2種類があるのはご存知でしょうか。会社に規定のフォーマットがある場合には、全く迷うことなく、その規定に粛々と必要事項を書いて提出すればいいのですが、ほとんどの場合は自分で書類を用意することになると思います。2つの書類の違いは、「却下の可能性の有無」ということになります。退職願というのは、「辞めさせていただきたいのですが」という自身の意見を会社に伺うという形式の書類です。そのために、会社側から却下される場合があります。退職届というのは「辞めます」という一歩的な通告の書類であるため、却下されることはありません。基本的には退職の意志を上司に伝え、退職の仕方に双方の目途を立てた段階で上司に退職願を提出するのがマナーです。よくドラマなどで退職届をいきなり出すというのは、ドラマチックではありますが完全なマナー違反だといえるでしょう。

ここまで、会社を円満に辞める方法について考えてきましたがいかがでしたでしょうか。当然のことながら、会社に対して書類を提出したからと言って手続きが終わったわけではありません。円満に退職するためにも、個別にお世話になった方へ直接伝えに行くのは当たり前の行為ですし、部下やチームのメンバーにも顔を見合わせた状況で退職することを伝えるべきです。この場合、又聞きでメンバーなどに伝わってしまうと印象がかなり悪くなる可能性があります。順番にしっかり感謝の気持ちとともに、今後の自分の話を堂々とすれば良い印象で会社を送りだしてもらうことができるでしょう。

そもそも入社の際には、明るい未来を思い描いていた人が多いと思います。会社での仕事や人間関係で悩んだ人も、会社が安定した収入を提供してくれたことへの感謝の気持ちを持って退職の手続きをしたいものです。また、退職後の独立を目指す方はこちらのサイトも参考にしてみてください。

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