部下がいうことを聞かない。人間関係を上手くするには?

どんな仕事にも悩みは付きものです。新人社員には新人ならではの、中堅社員には中堅ならではの、それぞれ違った悩みがあるでしょう。

これらは決して悪いことではありません。悩みを克服することは成長につながりますから、むしろ「ステップアップのチャンス」と前向きに捉えることができます。

ただ、それもあくまで程度次第。悩みの種類が多すぎるとか、自分の努力では問題解決できないといった状態が続くと、成長するどころか潰れてしまうのがオチです。

この傾向は、40代・50代のベテラン社員、特に職場のリーダーや中間管理職として働く人の間で多く見られます。

何十年ものあいだ会社のために尽くしてきた人が、心身ともに消耗していくのを見るのは、とても残念なことですよね。

今回の記事では、ベテラン社員が抱える悩みや課題のうち、特に「マネジメント」に関係する悩みとその解決法を取り上げます。

普段から「部下がいうことをきかない」「仕事を任せるのが苦手」「上下から板挟みされて辛い」と感じている方は必見です。

どうぞ最後までお付き合いください!

指導方法に間違いはないか見直す

だれしも、自分の間違いというのはなかなか認めたくないものです。だからこそ何か問題が発生したなら、まずは「原因は自分にあるのではないか?」と疑ってみましょう。

部下が指示通りに動いてくれない、何度説明しても覚えない、同じ失敗を繰り返す、といったことで悩んでいるなら、もしかすると自分の指導方法が間違っているのかもしれません。

では自分の指導方法に間違いがあるかどうかは、どうやって確認すればよいでしょうか?

確実な方法は、自分の周りにいる人たちに片っ端からヒアリングして、その内容を分析してみることです。部下をはじめ、身近にいる同僚や自分より上位の管理職が対象になります。

とはいえ自分の指導方法の良し悪しについて、周りの人たち、特に部下に尋ねるというのは気がひけるかもしれません。

そもそも「部下との人間関係」も問題の一部なわけですから、素直に聞けるくらいなら最初から悩んでなどいないでしょう。

そういうわけで、まずは可能な限りの範囲(おそらくは同僚や自分より上の立場にいる人たち)から話を聞いてみてください。

別の方法は、部下に対する自分の態度や接し方を見つめ直してみることです。

部下の指導に失敗する上司に共通している特徴のひとつは、部下との距離をうまくとれていないことです。

たとえば「部下と友達のように親しい」のもそのひとつです。

親しくなることでコミュニケーションを促進したいという気持ちはわかります。そのために部下を飲みに誘ったり、自宅に招いたり、休日のレクリエーションに誘うこともあるでしょう。

たしかに一昔前は「飲みニケーション」をはじめとする上司・部下の交流は一般的でしたが、でも今は時代が違います。

20年前・30年前よりも「プライベート」が重視されていて、若い人を中心に「定時を過ぎたら職場の人と関わりたくない」と思う人も増えています。

「自分が新人のころはそれが嬉しかった」と主張する人もいますが、それはあくまで本人の感想であり、自己満足です。

たとえ良かれと思ってしたことでも、部下の気持ちを無視すれば「ありがた迷惑」以外のなにものでもありません。

結局、心を通わせたと感じているのは上司だけで、部下の方はますます心に壁を作ってしまいます。これでは部下の指導も上手くいくわけがありません。

一方で、上司とのコミュニケーションを楽しむ部下もいます。この場合は、飲みニケーションなどを通して部下と親しくなりたいという上司の狙いはとりあえず成功するでしょう。

あるいは職場の中で、部下に嫌われたくない一心から極端にフレンドリーに振る舞い、「部下と仲良し」になる上司もいます。

このような状況も手放しでは喜べません。

勘違いしている人もいますが、「コミュニケーションが良好」であることと「馴れ合い」はまったく違うものです。

上司と部下が友達のようになってしまうと、仕事に緩みが生まれます。部下のミスを叱れなかったりチェックが甘くなったりするようでは、上司である意味がありません。

部下の中にも「上司と対等」という意識が生まれてしまうため、責任の所在もあいまいになります。上司をなめて仕事がルーズになる可能性もあるでしょう。

だからといって部下を突き放し過ぎるのも間違いです。へたをすると無責任な上司、自己中心的な上司と評価されてしまい、一切の指示を受付けなくなってしまうかもしれません。

上司の役目は、あくまで(過不足のない指示を出す)指揮命令権者で、部下はそれに従う立場です。ピリッとした威厳を保ちつつ、いざというときに相談される「頼れる上司」を目指してください。

任せるということも一つのビジネススキルである

部下との関係に悩む上司の中には、部下への仕事の任せ方を間違っている人もいます。

よくあるのが「部下にほとんど任せず自分でやってしまう」というものです。いわゆる「仕事ができる人」ほど、このような傾向があります。

仕事に不慣れな部下より自分の方が、早く確実な成果が出るのは事実でしょう。だからといって、重要な仕事をすべて自分で行おうとするのは間違いです。

上司の仕事は「最前線で現場の仕事をこなす」ことではなく、「組織をマネジメントする」ことと「部下を育成する」ことではないでしょうか?

ですから、いつまでも自分中心で仕事を回す人は会社員としての自覚に欠けています。それに、部下に仕事を任せることも大事なビジネススキルのひとつです。

たとえ「自分でやった方が早い」と感じても、部下の実力に応じて重要な仕事を段階的に任せるようにしましょう。もし部下が失敗しそうになったら、そのときこそ上司の出番です。

一方の部下の側も、重要な仕事を任されないと「自分は信用されていない」「一人前に扱われていない」と感じるものです。

いったん上司への信頼が失われるとその後の指導は届きにくくなり、ますます「人材が育たない」という悪循環にはまります。

まずは部下を信頼して、仕事を任せてください。そして自分は、部下のマネジメントやフォロー、部署全体の方針決定などに徹してくだい。

自分も組織の一員であること、そして組織の中での役割がなんなのかを、普段からしっかり意識するようにしましょう。

部下への仕事の任せ方が間違っているもうひとつのパターンとして、「部下に仕事を丸投げする」ことも挙げられます。

繰り返しになりますが、上司の仕事とは「組織をマネジメントする」ことと「部下を育成する」ことです。

ですから、仕事の重要度や緊急度、部下のスキルなどにお構いなく、機械的に仕事を割り当てるのでは上司として失格でしょう。

適切な段取りやフォローをせず、部下の負担を不必要に増やすことも同じです。

自分の部署を広く見渡し部下の能力も見極めたうえで、誰にどのタイミングで、どんな仕事を振るのが最善かしっかり考えてください。

そして一度仕事を振った後も、進捗状況に気を配って必要なフォローやアドバイスを提供するようにしましょう。

このような行動は部下の信頼を得ることにつながりますし、部下の成長にもつながります。

ところで、「仕事を任せたいのに、肝心の部下にやる気がない」という場合はどうすれば良いでしょうか?

部下といえどもロボットではありませんから、いくら上司の命令でもやる気を出さない、やろうとしないこともあるでしょう。

「そんな部下はクビだ!」というのは簡単ですが、それではマネジメントとはいえません。時として、部下にやる気を出させるのも上司の務めです。

では具体的な方法を考えてみましょう。

仕事に限らず、私たちがやる気を感じるのはどんなときでしょうか? 「面白いと感じたとき」、「自分にとってメリットがあると感じたとき」ではないでしょうか?

仕事のなかでどのようなものを「面白いと感じる」か、「メリットがあると感じる」かは人それぞれです。

たとえば「お金(給料)」かもしれませんし、「昇進」かもしれません。単純に、仕事を通して「自分が成長すること」を重視する人もいるでしょう。

もしそうなら、割り当てる仕事が部下の昇給・賞与や昇進につながること、スキルアップになることなどをしっかり理解させるのが上司の役目です。

もちろんウソはいけません。現時点で部下の仕事ぶりが給料や昇進に反映される「仕組み」がないなら、そうした仕組みを作ることも必要でしょう(それも含めて「マネジメント」です)。

部下をよく観察して価値観を理解し、それに応じた仕事や仕組みを提供する。それもまた、上司が持つべきビジネススキルといえます。

職場の仕組みそのものが問題なら

ここまで、中間管理職の立場にあるベテラン社員が抱えるさまざまな悩みのうち、特に「部下との人間関係の悩み」「マネジメントの悩み」について考えてきました。

・部下と適度な距離を保ちつつも信頼される上司であるためのコツ
・部下に仕事を任せる上で注意すべきこと
・部下にやる気を出させるコツ

…こうしたビジネススキルを持っていれば、上司としての仕事に押しつぶされてしまう危険はかなり減るでしょう。

ですが、不安が100%なくなったわけではありません。

今回お話した方法で部下との関係を築き上げても、自分より上の立場にいる管理職、あるいは会社全体の方針次第ですべてひっくり返されてしまうこともあるのです。

「上司と部下の板挟みになる」というのは、まさにこの状況です。

たとえば、計画的に育成していた部下が突然配置転換されてしまった、部下のやる気を出させるために昇給・昇進制度を提案したのに却下された、などが挙げられるでしょう。

上司自身も会社の歯車のひとつなので、こうしたことは常に起こりえます。

とはいえこれは大きなストレスです。モチベーションも大きく下がり、やる気も失われます。会社の仕組みや体質が原因なら、会社の中に留まり続けること自体が苦痛に感じるでしょう。

40代から50代の管理職の間で「うつ病」が広がっているのも、そうした理由によるのかもしれません。

もしあなたの会社がそうなら早めの決断が必要です。会社に残って耐え続けるか、それとも思い切って会社を辞めて、新しい環境に移動するか。あなたならどちらを選ぶでしょうか?

どちらを選んでも道のりは平坦ではありません。ですが将来に向けた希望という意味では、新しい環境に移動することは魅力的な選択肢です。

新しい環境に移動するとは、具体的には「転職」などを意味します。

「今の会社で思い通りにならないからといって、転職するのは軟弱だ」なんて考える必要はありません。

終身雇用があたりまえだった時代と違い、今は大手の上場企業ですら倒産したり大規模なリストラを行ったりする時代です。

自分の方は会社に一生尽くすつもりでいても、会社の方にはそのつもり(もしくは能力)はありません。「会社にとってお荷物」と判断されたら、あっさりと見限られます。

そうであれば「自分にとって有害」と判断した会社を見限っても、だれも文句は言えません。少なくとも、「社会人失格」などと恥じる必要はないでしょう。

実際、自分の能力をフルに生かすため、あるいは自分の理想の職場環境や勤務条件を求めて転職する人は性別・世代を超えてたくさんいます。

企業の側でも、外資系などを中心に優秀な人材を求めて積極的なヘッドハンティングを行っています。

いままで築き上げてきたスキルやノウハウを満足に生かせる会社を見つけたら、思い切って転職してみるのはいかがでしょうか?

あるいは、さらに思い切って「独立開業」するという手もあります。

新しい環境に移るそもそもの動機が「会社の仕組み」への不満なら、会社そのものを立ち上げる独立開業は、究極の解決方法といえます。

新規ビジネスにつながるスキルやノウハウ、人脈などを持っているなら、ぜひチャレンジしてみてください。

一方、そのような強みがない場合でも、フランチャイズ制度を活用すれば独立開業のハードルはぐっと下がります。

たとえばこちらのように「看板(ブランド)」や「商品・サービス」、「営業ノウハウ」までまるごと提供してくれるフランチャイズなら、難易度は転職とほとんど変わりません。

上司・部下といった人間関係や会社の仕組みに悩んでいるなら、ぜひ検討してみてください!