ノルマが厳しい会社に居続けることは大切なのか?

Googleの検索窓に「仕事」「ノルマ」と入力すると、自動的に「きつい」とか「無理」「ストレス」といった言葉が並びます(これはGoogleサジェストという機能で、よく検索される言葉をシステムが自動表示してくれるものです)。

つまり多くの人にとって、仕事のノルマとは、辛いもの、きついもの、ストレスを感じるもの、というわけです。

とはいえ「そんなに辛いなら辞めちゃえば?」とアドバイスしても、反発されるか聞き流されるのがオチでしょう。

その理由は、日本人が伝統的、もしくは無意識のうちに刷り込まれている「社会人としての常識」にあります。それは次のようなものです。

・一度入った会社は基本的に辞めてはいけない
・仕事を辛く感じても耐えるのがあたりまえ
・そして、それができない人は社会人失格!

あなたの周囲にいる大勢の人、もしかするとあなた自身も、そのように考えていませんか?

たとえノルマがどんなに厳しくても(そして心身ともに辛くても)、とにかく「会社に居続けることが大事」と感じているのではないでしょうか?

ですから「会社のノルマが辛い」と愚痴をこぼす人に向かって、いきなり「転職」のような思い切った解決策をアドバイスしてもあまり意味がありません。

というわけで、今回の記事では「今の会社に居続けて良いかを見極める方法」、「営業ノルマ達成に向けたアドバイス」を中心にお話しします。どうぞ最後までお付き合いください。

営業成績を今より上げる努力は可能か?

ノルマが厳しい職種というと、真っ先に思い浮かぶのは「営業職」です。

会社によっては駆け出しの新人にも重いノルマを課しているようですが、本当にノルマが厳しいのは40代あたりのベテランかもしれません。

「ノルマは年々厳しくなっているのに、給料はちっとも上がらない」…そんな悲鳴のような声もよく耳にします。

愚痴や悲鳴で済んでいるうちはまだいいですが、ノルマ達成のために休日を奪われたり、ストレスが限界を超えて心身を壊したりしては大変ですよね。

ですからノルマの厳しさが気になりはじめたら、「この会社に居続けて本当に大丈夫?」と自問してみましょう。

大丈夫かどうかを見極める最大のポイントは、「自分の努力でどうにかできるレベルか?」です。

単純に、営業成績を今より上げる努力が可能かどうかを考えてください。たとえば、営業に必要なスキルをさらに磨くことはできるでしょうか?

・コミュニケーション能力
・観察力
・理解力
・商品やサービスについての深い知識
・お客さんについての知識
・タフな精神力

ざっと思いつくだけでも、営業にはこうしたスキルが関係しています。

これらのスキルを身に付けたり高めたりする方法としては、ビジネス系の書籍から学ぶ、セミナーや研修会に参加する、営業成績上位の先輩から教わる、などがあるでしょう。

もし「自分にはまだ伸び代がある」と思えるなら、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

もっと単純ですが、「習うより慣れろ」という手もあります。とにかく場数をこなしているうちに自然と成績が上がるかもしれません。

この方法は、主に「がむしゃらに努力できる人」向けでしょう。もちろん、普段は努力が苦手でも「家族のため」「将来の夢のため」なら頑張れるという人にもオススメです。

同僚とのチームプレーで、全員の営業成績が上がる可能性もあります。それぞれの得意分野を生かして役割分担したり、互いにサポートし合ったりできないでしょうか?

ひとりで孤独に頑張るよりも、仲間と一緒に頑張ったほうが心強いのはお互いさまです。職場の雰囲気や会社の営業スタイルにもよりますが、ぜひ検討してみてください。

いかがでしょうか? 自分のスキルをさらに磨く、がむしゃらに頑張る、チームプレーで取り組むことで、営業成績を上げることは可能ですか?

「いや、無理」という方も、まだあきらめる必要はありません。

営業ノルマの達成がどうしても難しいなら、目標値そのものを下げてしまうという手もあります。

もちろん会社が設定したノルマを自分で勝手に下げるわけにいきませんから、まずは上司に相談する必要があるでしょう。

絶対に無理とわかっているノルマを強制しても意味はありませんし、無理なノルマが原因で社員がつぶれてしまったのでは、本人だけでなく会社も困ります。

ですから、意外とすんなり受け入れてもらえるかもしれません。

ただ基本的に、ノルマというものは「高めに」設定するのが原則です。簡単に達成できるような緩い営業ノルマでは意味がないのです。

学生時代の勉強や、スポーツのトレーニングをイメージしてください。

学校での成績を上げるため、塾で難関校の問題や上の学年の問題を習ったことはないでしょうか? スポーツなら、強くなるために強豪チームと練習試合をすることが一般的です。

どんな能力も、「限界のちょっと上」くらいの負荷をかけたほうが大きく伸ばすことができます。

営業スキルも同じです。社員の成長に期待している会社なら、あえて「ちょっと厳しい」「無理かもしれない」と感じるくらいの目標値を設定しているはずです。

「ノルマを下げてほしい」と相談したときに「頑張れ」「甘えるな」と返されたら、それ以上の追求は禁物。いさぎよく自力で頑張るか、次に紹介する方法を試してみましょう。

仕事に優先順位をつけてみる

自分の力では営業成績を上げることができない、かといって上司に相談しても効果がない場合、その営業ノルマはもはや「自分の努力でどうにかできるレベル」ではありません。

こうなるとますます「この会社に居続けて大丈夫?」と心配になるでしょう。でも、結論を出すのはまだ早いです。

営業ノルマというのは、しょせんは一時的なルールや目安に過ぎません。もしノルマが達成できなくても、それを理由に解雇する会社はありません(もしあれば、それはブラック企業です)。

営業ノルマが努力でどうにもできないレベルなら、いっそのこと「ノルマなど達成できなくてもいい」と開き直りましょう。

もちろんそんなことを公言すれば怒られますから、あくまでも心の中で宣言します。それだけで、多少気持ちが楽になるはずです。

さて、自分の中で「ノルマの達成を目指さない」と決めました。その後はどうしましょうか?

いうまでもありませんが、怠けてダラダラするのは論外です。あくまでも建前上は、ノルマ達成を目指すポーズをとる必要があります。

上司はあなたがノルマを達成することを期待しています。「達成して当然」とさえ思っているかもしれません。

そんな上司に向かって、ただ「無理でした」といったのでは当然ながら納得してもらえません。場合によっては嫌がらせのようなペナルティを受ける可能性もあります。

ですから、「営業ノルマは達成しないけど、上司にも納得してもらう」ためにひと工夫しましょう。

コツは「仕事に優先順位をつける」ことです。

絶対に完成させるべき仕事と余裕があれば手を付ける仕事を区別して、「なにがなんでもこれだけはクリアする」という自分の中のノルマを設定するのです。

「自分の中のノルマ」は、なんでもいいというわけではありません。

会社や上司、営業部署全体を見渡して、「重要視されていること、高く評価されること、関心を持たれていること」を見つけてください。

会社や上司に、営業部門全体にとって重要で・評価され・関心を持たれていることが見つかったら、次に「それにつながる仕事」を見つけます。

それは特定の営業先を開拓することかもしれませんし、特定の商品・サービスを販売することかもしれません。

いずれにしても、ここで見つけ出した仕事が「最重要・最優先の仕事」です。営業ノルマ全体が達成できなくても、この小さなノルマだけは絶対に達成しましょう。

これなら上司も納得しれくれます。むしろ、「厳しいノルマの中でよくやってくれた」と好評価を受ける可能性もあります。

上司の心証が良くなれば「厳しすぎるノルマを見直してほしい」というお願いもしやすくなりますし、聞き入れてもらえる可能性も十分に出てきます。

それどころか、重要な仕事を達成したという成功体験が自分を成長させ、気がついたら当初のノルマを達成する実力が身についているかもしれません。

ちょっと変則的な手段ですが、どう考えても達成できそうもないノルマを振られてしまったら、「仕事に優先順位をつける」ことをぜひ試してみてください。

今の会社に見切りをつける

・厳しすぎるノルマを達成するため、いろいろな努力をしてみたけどダメだった。
・ノルマを達成するかわり、優先順位をつけて仕事に取り組んでみたけどダメだった。

…ここまできたら、いよいよ最終段階です。この期に及んでまで今の会社に居続けるのは、自分にとってリスクやデメリットが大きすぎます。

「会社は辞めてはいけない」とか「辛くても耐えるのがあたりまえ」とか、そんなことは関係ありません。

自分の心身の健康を守るため、家族を守るため、将来を守るために、今の会社に見切りをつけることも選択肢に加えましょう。

今の会社に見切りをつけるというのは、具体的には「転職」や「独立開業」をすることです。

この選択肢を選ぶなら、まず後ろめたい気持ちは捨ててください。「会社を辞めたら社会人失格」ということはありません。

むしろ、「自分のスキルや能力を最大限に生かせる最高の環境を開拓している」という前向きな気持ちを持つことが肝心です。

では、はじめに「転職」について考えてみましょう。

ひとくちに転職といっても、方法はいろいろです。だれでも利用できる一般的な手段としては、以下のものが挙げられます。

・ハローワーク(公共職業安定所)
・フリーペーパーの求人情報誌
・インターネットの求人広告(indeedなど)
・企業による直接求人(チラシや自社WEBサイト)
・転職エージェント

このうちハローワークは、昔も今も求職活動の定番です。国が設置する行政機関として信頼感や安心感がありますし、いわゆるブラック企業が入りにくいのもメリットです。

一方、求人情報誌や求人広告は、特に登録なども必要ないため気軽に利用できます。ただし内容は「玉石混在」で、中には怪しげな会社が求人を出していることもあるため要注意です。

チラシや自社サイトによる直接求人は、比較的労働条件の良い企業が多めです。就職活動で特定の企業を狙い撃ちするならベストですが、なかなか目につきにくいのが弱点です。

転職エージェントは、転職希望者のスキルや得意分野、希望条件などをヒアリングしたうえで、膨大な企業の中から条件に合う会社を紹介してくれる転職のプロフェッショナルです。

エージェントによっては、他の媒体に載っていないシークレット求人を扱っていることもありますし、現在求人を出していない会社と転職希望者をつないでくれることもあります。

転職活動で一番時間がかかる「求人情報の取捨選択」を転職希望者に代わってやってくれるので、働きながら転職活動をする人にとってベストな手段といえるでしょう。

もちろんどの方法を選んでも、転職した先には新しい上司がいますし、もし営業職ならその会社ならではの営業ノルマもあることでしょう。

転職早々に「失敗した!」と後悔することがないよう、慎重に会社選びをしてください。

次に考えてみるのは「独立開業」です。

上司から与えられる無理なノルマや職場の人間関係に悩んでいた人なら、独立開業は究極の解決策といえるでしょう。

なにしろ、新しい職場を作るのは自分です。自分のスキルや働き方にぴったりの職場を実現するのも夢ではありません。

ただしリスクの大きさも究極です。毎月決まった給料をもらえる会社員と違い、収入の保証は一切ありません。

また自分の売りとなるスキルやノウハウ、人脈などがないと、ビジネス自体がスタートしません。いったん起業したあとも継続的な営業活動が不可欠です。

安定志向の人や他力本願の人には、絶対に向かない方法といえるでしょう。

一方、ノウハウや人脈がなくても「フランチャイズ制度」を利用すれば、独立開業のハードルはぐっと下がります。

看板(ブランド)や商品・サービスはすでに用意されていますし、マニュアルも完備されているので未経験の分野でも参入しやすいのが特徴です。

こちらのようにフランチャイズ本部が営業サポートや営業代行をしてくれるところなら、難易度は転職とさほど変わりません。

新しい環境で自分の可能性を試してみたいなら、ぜひチャレンジしてみてください。