なぜ毎日帰宅が遅くなるのか?問題はどこにあるか考える

「過労死」という言葉が今、英語の辞書にも “Karoshi”として載っているという事実はご存知でしょうか?日本でも度々ニュースで取り上げられる過労死問題。日本は労働環境が悪いというのはどうやら国際的にも認知されているようです。

毎日残業をしなければならずいつも終電やそれに近い時間で帰路につく、という人も多いのではないでしょうか?

毎日の帰宅が遅くなれば、当然次の日にも疲れが残りやすくなります。仕事終わりのプライベートな時間を取りづらいというのは大きな問題ですよね。帰宅時間が遅いと夫婦や子どもとの関係も希薄になりやすく、ほかにも自分の趣味や勉強に充てられる時間が週末だけというのも考えものです。

今回は、仕事帰りが遅くなってしまう人はどうしたら帰宅時刻を早められるかを考え、改善策をいくつか紹介したいと思います。

通勤時間が長すぎないかどうか

帰宅が遅くなる、ということは労働時間が長いということです。見落とされがちですが、この労働時間には通勤時間も含まれます。この通勤時間は人によってさまざまですが、帰宅を少しでも早めるためにまず始めたいのが、この通勤時間や通勤方法の見直しなのです。

自分でコントロールできるのが通勤時間

最初に考えたいのが、通勤時間を減らせないかどうかということです。どれだけ仕事が早く終わっても通勤時間が長ければ心身への負担は大きいですよね。

日本人が通勤にかける時間は平均して、1日1時間前後。都内であれば郊外から通う人の割合も増えるため、通勤に45分ほどを費やすといわれています。

サラリーマンであれば同じ時間に出社をし、退社をする人が多いので満員電車のなか通勤を続けている人がほとんどではないでしょうか?そうなると、電車のなかでゆっくりと休むわけにもいきません。仕事で疲れきっている状態で通勤時間があまりに長いと、メンタルヘルス面においても悪影響をおよぼす可能性があります。

夜遅く家に帰り、夕食やお風呂もサッと済ませる…そんな生活が続けば「あぁ、仕事に行きたくない」と感じてしまうのはある意味当然のことでしょう。

通勤時間を短縮するために、会社の近くにアパートを借りたり、多少コストがかかっても通勤方法を変えたりすることで帰宅時刻を早めることができます。

職場の近くに住むのが理想的ではありますが、経済的な事情でそれが難しい人も多いことと思います。そうした人が考えるべきなのが、通勤方法を変えることです。

いつもは普通列車に乗っているようであれば帰りは特急にするのも良い方法です。車で高速を使えるのであれば特定の曜日だけを高速を使って早めに帰宅するなど、少しだけ自分にご褒美をあげるイメージで、通勤方法を変えてみるのもおすすめです。

これにより通勤手当の範囲を超えてしまうかもしれませんが、毎日の通勤生活を少しでも改善することで思う以上に身体への負担が減るものです。

会社の労働環境などは個人の力では変えられませんが、通勤時間の短縮は自分である程度はコントロールできます。ぜひ、一度「もっと通勤時間を短縮する方法がないか」を考えてみてはいかがでしょうか?

フレックス制度があれば活用するのもおすすめ!

企業によってはフレックス制度である程度、個人が裁量をもって出社と退社の時間を決めることができます。ほとんどの企業ではコアタイムが決まっており、コアタイムのあいだは在社を義務付けられます。例えば、帰宅の時間を早めて、家族での食事を楽しみたいのであれば、人より早く出社し、早めに仕事を終え帰宅するのも方法の1つです。

始発であれば、電車も混み合いませんし、車通勤の場合でも渋滞に巻き込まれづらいというメリットがあります。

また、知的生産性が高いのは午前中だともいわれています。脳が活発に動くうちにその日の重要な仕事を終えてしまい、夜遅くなる前には帰宅し次の日に備えるのは身体のメカニズムにもかなっています。

もし、今勤務している企業でそうした働き方が可能であれば「朝早く出社し定時には上がる」という働き方を検討してみてはいかがでしょうか?自分の仕事の生産性が驚くほど上がるかもしれませんよ。

労働時間が長いのは日本だけ?

通勤時間の見直しは自分だけですぐに行える帰宅時間を早められる方法です。しかし、「仕事が終わりきらずにいつも定時で上がれない」というのが実際のところなのではないでしょうか?

また、仕事を次々に依頼されてしまい、「自分の仕事は終わっているのに結局残業をしなければいけない。」という悩みを持った人も多いはずです。

そして日本企業特有の「残業文化」というのもあるでしょう。いくら朝早く出社をして自分の仕事を終えても、定時で上がるのはなんとなく気がひけてしまい、周囲の目も気になってしまうという声はよく聞かれます。

そのため、その日にやらなければいけないことを終えていてもなんとなく会社に残って、生産性のない仕事をしてしまうというのは社会人(特に若手社員)にはありがちな問題なのです。

そもそもこのように仕事で帰宅が遅くなるという問題は日本特有のものなのでしょうか?

海外にも目を向けて考えてみましょう。

日本人は本当に残業大国?

日本は本当に労働時間の長い国なのでしょうか?

「データブック国際労働比較2018」によると2016年の日本人労働時間は1,713時間というデータが出ています。これはアメリカやカナダなどの先進国と比べて突出して長い時間ではありません。

しかしながら、日本やアメリカなどが年間1,700時間ほど働いているのに比べ、ヨーロッパは労働時間が少ないという結果が出ています。例えば、ドイツは1年間の労働時間数が1,363時間と日本に比べ大幅に労働時間が少ないながらも、生産性を重視して仕事をしているのがうかがえます。

そう考えると、まだまだ日本も労働環境の改善の余地はおおいにあるといえるでしょう。

便利さの代償としての長時間労働

少し余談になりますが、こうした海外と日本との労働時間の差は一概に「生産性の違い」とは言えない側面もあります。

海外で住んだことがある人であれば、日本と海外のサービスの違いに驚いた経験があるかもしれません。公共交通機関も、日本は分単位まで正確に発着します。そういった意味では日本は世界で最も便利な国であると言っても過言でありません。

しかし、その便利さを維持するために日本の企業が長時間労働を強いられているのも事実です。つまり、単純に会社の労働環境を整えれば労働時間は減るというわけではなく、顧客側の要求レベルも関係してくるのですね。

残念ながら、日本人は24時間365日サービスを享受することに慣れすぎているため、会社や政府による労働環境の改革にはまだまだ時間がかかるのかもしれません。

自分の仕事効率の見直しを

政府や企業主導の働き方改革で残業を減らしていく試みにも期待したいところです。しかし、一方で通勤方法の見直しをはじめ自分のアイディアで仕事の時間を短縮し、帰宅時間を早めていくことも大切です。長時間労働は日本の企業文化にも一因があることは間違いありませんが、そのせいだけにしていても自分の仕事の時間が減るわけではありません。

いわゆる「仕事効率化術」や「仕事ハック術」と呼ばれるものですが、まずは自分のやっている仕事やライフサイクルを客観的に見つめ、「少しでも仕事の時間を短縮し、帰宅を早める」ことにこだわる必要があります。

「みんな残業をしているのだから仕方がない」と諦めてしまっては、そこから状況が良くなることはありません。少しでも自分自身の時間や、自分の大切な人との時間を増やすためにはやはり自分でできる努力はすべきなのです。

それでは、簡単にではありますが自分の仕事時間を減らしつつ、効率化を目指す方法をいくつか紹介したいと思います。

「なぜ」を明確にする

書店では、仕事効率化のためのコツが紹介されている本が多数見られます。それだけ、仕事の時間が長引いていしまいその原因は自身の「効率のなさ」にあると考えている社会人が多いということでしょう。

しかし、急がば回れで最初に考えなかればいけないのが、「なぜ、効率化を目指すか」ということです。

もっと言えば、その仕事は自分がするのが一番効率的なのか、というところから考えるべきです。

例えば、記者の仕事のなかに「文字起こし」という工程があります。

インタビュー内容を録音したものをもう一度文面に書き起こすという作業です。こうした仕事であれば「どうやって効率的に音声を文字に起こすか」を考える前に、「果たして自分が文字起こしをする必要があるのか」を考えたほうが良いでしょう。

コンプライアンスの問題もありますが、特別なスキルの要らない文字起こしの仕事であれば思い切って外注に委託することも可能ですよね。

記者であれば、効率化を目指す目的は「良い記事を書く」ことです。そのための効率化であれば全力で行うべきでしょう。まずは、どうして自分がその仕事を効率化させる必要があるのか、というポイントからスタートしてみましょう。

PDCAの徹底

これはビジネスパーソンであれば、よく耳にする言葉ではないでしょうか?

P…Plan
D…Doo
C…Check
A…Action

仕事効率化を個人で目指す上で、大切なのが「C」と「D」です。効率化をするためにどのような対策があるか、は本やインターネットでたくさんの事例が紹介されています。

しかし、自分が本当に仕事の効率化ができたかどうかチェックする仕組みがない限りは、自分の仕事の振り返りができません。そうなると自分にあった仕事効率化の方法は何かという試行錯誤がうまく行えません。

自分で仕事効率化を測る場合は、誰かがあなたの伸びしろをチェックしてくれるわけではありません。だからこそ自分で自分の出来をチェックする仕組みを持っておくことも大切です。

例えば、PCで作業をする人であれば、どのアプリをどれだけ使用しているか時間を測ることで自分の苦手な作業を特定できます。

エクセルが苦手であればエクセルの作業時間をどれだけ短縮できるか、ストップウォッチやアプリを使用して計測し続けることが大切です。

計測を続けることで、具体的な目標設定を立てることができます。この目標設定がないと効率化が名ばかりになってしまい、実際にポジティブな結果を得ることはできません。

例えば、エクセルの使用時間を1日あたり30分減らすという目標を立てたのであれば、それを達成したときに「30分自分の時間に余裕ができた」という明らかな結果が生まれるわけです。

そのぶん、早く帰宅して自分の時間を有効活用することも可能ですよね。

どうしても仕事の時間が減らないときは?

上記で紹介したのは個人レベルでの時短なので、どれだけ自分が早く仕事を終えても、働いている企業の労働環境が悪かったり、効率的な仕組みが出来上がっていなかったりすると、結局仕事を早く終えてもほかの仕事が入ってくるだけという状況も考えられます。

考え方はさまざまですが、多くの人がこうした場合に考えるのが「転職」ではないでしょうか?

最近では自分の希望条件で転職先の企業を特定することもできるようになってきました。ワークライフバランスという言葉も浸透しつつある今、「仕事は定時で上がれて、自分のプライベートを充実させたい」という希望も「甘えだ」ととられることは少なくなってきました。

しかしながら、仕事時間と収入は大きく影響しあう場合がほとんどです。9時に出社し、17時には退社できる仕事であれば残業をせずに早く帰宅することはできますが、そうした仕事の多くは事務的な仕事です。その場合、当然ながら営業インセンティブなどは見込めませんし、収入という面では窮屈に感じることもあるかもしれません。

転職のほかに考えたい「独立開業」という選択肢

今回は「仕事の時間を短くし、帰宅する時間を早めたい」というよくある悩みについて、通勤方法の見直しや自分の仕事の効率化などについて紹介しました。

転職という方法もありますが、残業をしないという選択は収入にも影響するという点はよく考えておきたいところです。

もし、自分の仕事を残業時間で評価されたくないと考えるのであれば、思い切って独立開業を考えてみるのも1つです。

自分でビジネスをすると聞くとハードルが高く感じますが、フランチャイズでノウハウを共有しながら、個人事業を行うという方法もあります。

ビルズでは、誰にでも始めやすいビルの清掃業のフランチャイズを行なっています。自分で収入や仕事の時間をコントロールしたいという人は事業のオーナーとして第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?