【40代の転職事情】個人事業主と法人の違いとは?

40代の男性が会社を退職し、起業するとした場合には大きく2つの方法があります。

それは、個人事業主として独立する場合と、法人として会社を設立する場合です。そもそも個人事業主と会社の違いとはいったい何でしょうか。そのメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。また、会社の種類もいくつかありますがしっかりと違いが説明できる人も多くないと思います。

良い機会ですので、ここでしっかりとその違いを理解し自分が目指す方向を決定していきましょう。また、よく聞く「有限会社」「ベンチャー企業」「スタートアップ企業」とは何を指す言葉でしょうか。これから経営者を目指す人であれば、それぞれの違いをしっかり説明できる知識を持っておいた方が良さそうです。

個人事業主とは何か

独立開業を目指す人が、最もシンプルに起業できるのが個人事業主として独立することです。

個人事業主とは、読んでの通り「個人で事業を営む」人を指していう言葉です。一般的に「個人事業主」という言葉は税務上の所得区分のことを指します。これに対して法人というものは、株主などの出資者がお金を出して設立されるものです。個人事業主の場合、極論をいえば0円からでも独立開業することが出来てしまいます。

個人事業主と法人では税金の仕組みが全く違ってきます。個人事業主では累進課税制度に従い、税金を納付しますが所得が高くなればなるほどその税率が高くなっていきます。
高い税率になると50%を超える可能性があります。そのためにある程度の収入が出てきた個人事業主が税金の対策として法人化するというのが一般的な法人化への過程となります。

個人事業主として独立する場合はまず税務署に開業届を提出します。また、個人事業主となった場合は、税金を払う必要があります。青色確定申告を行えば65万円の排除ができるため、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出しておきましょう。また、「個人」といっても従業員を雇用することもできます。

その場合には、給与支払い事務所等の開設届出書の提出が必要になります。

個人事業主のメリット・デメリット

個人事業主は税務上の区分ということはわかりました。では、個人事業主の税務上メリットがある場合とそのデメリットは何でしょうか。具体的にみていきましょう。

<個人事業主のメリット>

個人事業主の税務上のメリットは結局のところ「青色申告ができる」ということに尽きます。

白色確定申告を選ぶこともできるのですが、現在ではほぼメリットはありません。個人事業主として独立する場合には青色確定申告をしましょう。
まず、課税所得65万円を排除できるという点が非常に大きいです。また「繰越欠損金」という制度を使えるようになります。簡単に説明すると、年間の赤字を3年に渡って所得の相殺を行うことができる制度です。さらに家族を従業員扱いにして経費として計算することができます。

課税所得額を少なくすることができるだめ、夫婦などで事業をする場合には節税になります。他にも、経費にできるものは非常に多く、事業で使う場合には自宅の家賃や光熱費などの一部を事業の経費にすることもできるため、非常に税制上のメリットは多いといえます。

<個人事業主のデメリット>

青色申告確定申告を行うことで税制上のメリットを受けることが出来るようになりますが、複式簿記での記帳を行う必要があります。日々の財政を複式簿記で記帳し、決算書として毎年3月には損益計算書と貸借対照表の作成を行う必要があります。経理の経験などがないと覚えるまで苦労してしまうかもしれません。

また、個人事業主には失業保険の給付がありません。

法人、会社とは何か

「法人」とは、利益や公益を追求するために組織された組織のことです。その中でも、利益を追求するための組織を「会社」と呼びます。一般的には「会社を設立する」というのは、非常に大きなプロジェクトで、人生の全てをかけて挑むようなイメージをどうしてもしてしまいますが、会社設立というのは個人事業主と税制上の納付の違いがあるだけです。

シンプルに考えると個人事業主の延長上にあるものとして捉えるのが最もわかりやすいかもしれません。会社としての分類には4つあり、

①株式会社
②合同会社
③合名会社
④合資会社

とそれぞれ名称が違います。

法人の設立の際には「定款」の作成と「登記」が必要であり、その費用は数万円~30万円程度が必要になります。また廃業の際にも解散登記が必要であり、数万円が必要です。また、累進課税の個人事業主と違い、法人の場合には法人税と法人住民税を合わせておよそ30%となります。

そのために大幅な利益が出た際には個人事業主の方が不利になってしまうことがあります。しかし、法人の場合には赤字でも税金がかかります。これらの特徴を考えると、最初は個人事業主として安定した収入が出せるようになったら法人化させるというのが基本的な考え方といえるでしょう。

法人のメリット・デメリット

個人事業主として安定して収入を得ることが出来るようなったら、法人化させることで節税効果が得られることはわかりました。では、節税以外では具体的にどのような変化があるでしょうか。メリットとデメリットを考えていきましょう。

<法人化のメリット>

まず、個人事業主と比べ社会的信用が得やすくなります。信用が得やすいということは、取引先を増やせる可能性が高まり、融資を受けようとした場合に有利になります。また社会的信用があるということは様々な面で影響があり、優秀な人材を集める場合にも有利になることがあるでしょう。

個人事業主の場合、5人以上の雇用があると社会保険の強制加入の対象となりますが、法人化すると必ず社会保険に加入することになります。これらの保険料は会社と従業員が折半で支払う必要がありますが、補償が手厚くなるためにメリットとして捉えるべきでしょう。

<法人化のデメリット>

まず考えられるのが、赤字になってしまうことがあっても税金の支払いが発生してしまうということでしょう。法人化するタイミングはある程度慎重に考える必要があります。また、法人化することで、社会保険料の計算・手続きや会計処理が複雑になるために個人で経理業務を行うことがやや大変になる可能性があります。

もちろん、税理士事務所に依頼することも可能ですがコストがどうしてもかかってしまいます。

株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の違いは何?

さて、前述した会社の種類について詳しく見てみたいと思います。まず、株式会社と他の3つの会社の形態の違いから考えてみます。この合同会社、合名会社、合資会社を総じて「持分会社」といいます。株式会社が、規模を大きくさせていくことを目的にしているのに対し、持分会社は、仲間内だけで事業を継続させることを目的とした会社です。

<株式会社と持分会社の違いは何か?>

最もわかりやすい説明をすれば、「会社の資金を誰が出すのか」という違いが一番の大きいポイントです。株式会社の場合には、誰でも株主になることができます。その株主がお金を出し、経営者は経営を行うということになります。そのため多くのお金を出している株主の意向を受けて経営者は会社を運営することになります。

持分会社の場合には、出資者=経営者という方式をとります。そのために経営者は、外部の意向を気にせずに自由にルールを決めることが出来ます。また、持分会社の場合には利益の配分を出資以外のルールで決めるという点と社員の変更を簡単にすることが出来ないという点があります。

持分会社の合同会社と合名会社、合資会社の違いは、会社が倒産した場合に誰がどのような責任を負うかという違いによって主に区分されます。

<有限会社って結局どんな会社?>

株式会社ともう1つよくある会社で「有限会社」というものがあると思います。有限会社とはどんな会社なのでしょうか。

実は有限会社というシステムは2006年の会社法により撤廃されました。2006年以前より有限会社として業務を行ってきた会社は、「特例有限会社」として実質株式会社として存続することになりました。現在では、新たに有限会社を設立することはできません。今、「有限会社」と名乗っている会社は少なくとも12年以上は継続して事業を行っている会社だということが出来ます。

<ベンチャー企業とは何?>

よく聞かれる「ベンチャー企業」とは何を指す言葉でしょうか。ベンチャー企業とは、新興企業とほぼ同意語で使われている言葉で、会社の種類を指す言葉ではありません。新しいアイデアやテクノロジーを事業へ組み込み展開する企業を主にベンチャー企業と呼び、明確な基準というものを持ちません。

最近では、ベンチャー企業のなかでも特に「短期間でビジネスを成長させる会社」を「スタートアップ企業」と呼ぶことも多くなりました。特にインターネットサービス等は新しいテクノロジーですので、スタートアップを多く生み出している業種でもあります。

起業の特徴を解説

会社員が起業し、独立する場合には個人事業主として独立して安定した収入が見込めるようになったら法人化させることで節税効果が生まれ、社会的信用を得やすくなるということはわかりました。起業をする順番は理解できましたが、まずは「事業を10年存続させる」ということが当面の目標になってくるのではないでしょうか。

国税庁の調査では、起業から10年後も残っている会社は1割もないというデータがあります。この残った1割の会社の特徴を洗い出すことが出来れば、何か参考になることがあるかもしれません。では、起業して10年を存続ために必要なこととは何かを考えたいと思います。

<起業して10年継続できる主な会社の特徴>

・ブランディング化に成功している
・経理事務所に頼りすぎない
・ニッチな商品・サービスを持っている
・むやみに多角化させない
・リピーターが多い

「ランチェスター戦略」という言葉はご存知でしょうか。個人事業主や中小企業が、経営先約を立てるときにはランチェスター戦略を用いることは非常に効果的だといわれています。イギリス人で、フレデリック・ランチェスターという人が1914年の第一次世界大戦の際に「競争の法則」である「ランチェスター戦略」を発表しました。

この戦略は戦争において、戦闘員の減少度合いを数字で示すモデルであり、戦争だけでなくその後は経営学に応用されることになりました。

中小企業が戦略として行うべきことは、商品やサービスのターゲット層を細かく分け、そのエリアに対して品質の高いものを提供するという動きになってきます。また、現在は顧客のニーズが非常に多様化しているために商品やサービスの細分化がしやすくなってきているといえます。

そのため、ランチェスター戦略は日本企業の中小企業の戦略として指針となるのです。「起業して10年継続できる主な会社の特徴」を一言でいうのであれば、このランチェスター戦略を実践できていると言い換えてもいいのかもしれません。

大手企業の経営戦略と中小企業や個人事業主の経営の立て方は、大きく異なるでしょう。しかしながら、どうしても大手の戦略に追従してしまいがちです。
まずは商品やサービスの質を向上させ、固有のリピーターを獲得しその地域でのNo.1を目指すというのが個人事業主の当面の目標とすべきなのかもしれません。

さて、ここまで個人事業主と会社の違いについて調べてきましたがいかがだったでしょうか最後にまとめてみたいと思います。

<個人事業主と法人の違いとは?>

・個人事業主と法人の違いは税制上の区分である
・個人事業主は非常に起業しやすい
・個人事業主は青色確定申告をすることで節税を行うことが出来る
・個人事業主は累進課税制であるため、一定の収入があれば法人化させるのも検討すべき
・会社には株式会社と持分会社がある
・有限会社は実質2006年以降に株式会社となった
・10年事業を存続させることができるのは約1割
・ランチェスター戦略が、中小企業の指針となるか可能性がある

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