起業アイデアをじっくり考えてみる

会社を辞めて独立しよう!

…そう決意してみたものの、何をしたらよいかわからない、どんな事業で起業したらよいかわからない、という声をよく聞きます。

世の中にはたくさんのビジネスがありますから、何をしたらよいか迷うのも無理はありません。とはいえ単純に他人の真似をしていたのでは成功は難しいでしょう。

また自分が持っている「スキル」「資格」「経験」「ノウハウ」「人脈」などによっても、選択できるビジネスや成功の可能性が大きく左右されます。

このように、起業(独立開業)の計画を立てることは決して単純な作業ではありません。せっかく決意した独立開業を成功させたいなら、まずは起業のアイデアからじっくり考えてみましょう。

そのようなわけで、今回の記事では「起業のアイデア」をテーマにお話をしていきます

世の中にあるいろいろな起業パターンから、起業のアイデアを生み出す方法、さらに「どうしてもアイデアが浮かばない」という方におすすめの起業スタイルもご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

いろいろな起業パターンについて

一般に「起業」といっても、選択肢は膨大です。飲食業のように店舗を構えるものもあれば、自宅やカフェなど場所を選ばず、パソコン一つでできるビジネスもあります。

また、資金さえあれば誰でも始めることができるものから、開業するのに特別な資格が必要な仕事もあります。

ちなみに独立開業する人の間で特に人気がある「定番の起業パターン」は、大きく分けて以下の通りです

1)飲食業
2)小売業
3)士業・コンサルティング
4)ITビジネス
5)教室ビジネス
6)サロン

それでは一つずつ見ていきましょう。

飲食業

飲食業といっても大規模なレストランなどではなく、主に「カフェ」のような小規模な店舗や「移動販売の屋台」などが人気を集めています

本格的なレストランの場合は「料理のスキル・経験」も「資金」も豊富に必要ですが、カフェや移動販売車程度の規模や内容なら、「料理が趣味」という程度の人でも「比較的低資金で」始められるのがその理由です。

とはいえ、飲食業には食材などの「仕入れ」が必要ですし、基本的に食べ物・飲み物は長期のストックに向きません。

またエリアによっては飲食業の店舗が飽和状態になっていて、他の店舗と同じような内容ではお客さんが集まらなかったり、すぐに飽きられたりすることもあります。

仕入れの量やタイミング、出展のエリアやメニューの選定など、しっかりした計画と準備が重要な業種と言えるでしょう

小売業

輸入雑貨やハンドメイド品などを扱う小規模な小売店も人気があります。

海外旅行が趣味という人が旅行を兼ねて仕入れを行うケース、手芸が趣味の人が自分や知り合いの作品を扱うケースなど、趣味を活かしやすいのが大きな特徴です。

実店舗ではなくネットショップで販売を行うなら開業時の費用は大幅に抑えられますし、雑貨などの商品は、保管場所さえ確保できれば一度に大量に仕入れておくこともできます。

資金が少なくても始めやすく、仕入れたものを売るだけなら特別なスキルやノウハウも必要ないので、独立開業に向いた業種と言えるでしょう

ただし扱う品物が「中古品」の場合、品目によっては「古物営業の許可」が必要になります。具体的には以下の13品目です。

1.美術品類
2.衣類
3.時計・宝飾品類
4.自動車
5.自動二輪車および原動機付自転車
6.自転車類
7.写真機類
8.事務機器類
9.機械工具類
10.道具類
11.皮革・ゴム製品類
12.書籍
13.金券類

許可が必要なのは、実店舗もネットショップも同じです。「古着」や「古本」などは比較的ポピュラーな商品ですが、取り扱う際は十分に気をつけるようにしましょう。

士業・コンサルタント

士業やコンサルタントの特徴は、特定の国家資格や専門的なビジネスノウハウを活かして開業するということです。

具体的な職種としては、弁護士、税理士、司法書士、社労士、行政書士、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナーなどが挙げられます。

だれでも開業できるわけではないのでライバルが限定されるうえ、基本的に「仕入れ」が発生しない、専門性が高いためサービス単価も高めに設定できる、小規模オフィスや自宅で開業できるため開業資金がそれほどかからない、などメリットが多いのが特徴です。

一方で資格の取得やノウハウの蓄積に時間がかかりますし、ほとんどの士業ではそれぞれの業界団体に登録する必要があるため、開業までのハードルは比較的高めと言えるでしょう

また、一定の営業力や人脈などがないと仕事の獲得が難しいのもデメリットと言えるかもしれません。

ITビジネス

ここ数年、IT分野での起業は特に人気を集めています。

中でもアプリなどのプログラマー、WEBサイト制作、WEBライター、動画制作・編集の仕事などは、インターネット技術やスマホの普及に伴って需要が拡大する一方です。

プログラマーや動画編集と聞くと、専門技術が高く手を出しにくいように感じるかもしれませんが、実際には比較的簡単に技術を身に付けやすい分野で、真面目に勉強すれば独学でも、短時間で業務レベルのスキルを覚えることができます

基本的にパソコンだけで開業できるうえ、特定の店舗や事務所を構える必要もほとんどないため、開業資金はほとんどかかりません。

クラウドソージングサービスなどを利用すれば、仕事の獲得も比較的簡単です

このようにメリットだらけに見えるIT関連ですが、デメリットもあります。技術の変化が非常に激しく、少し前の「最新技術」もあっという間に陳腐化してしまうため、仕事を続けるためには、常に勉強し続け、新しい知識を取り入れ続ける努力が必要です

教室ビジネス

学習塾やパソコン教室、ピアノ教室、ハンドメイド教室といった、「自分のスキルを他人に教える」パターンも起業の定番です。

自分の知識や趣味を仕事に活かしやすく、一度お客さんを確保できれば「一定期間継続(リピート)利用してもらいやすい」のも大きなメリットと言えるでしょう。

実際に教室を構える場合はある程度の開業費用や運転資金(家賃などの固定費)も必要ですが、自宅でごく小規模に教える場合や「家庭教師スタイル」で出張する場合は、初期費用を大幅に抑えることも可能です。

人に教えられるほどの「スキル」を持っているなら、おすすめの業種と言えるでしょう

サロン

整体やマッサージ、ネイルサロンなど、主に健康や美容などの分野に多い起業スタイルです。またジャンルは少し違いますが、占いやヒーリングサロンなどもこれに近い業種と言えるでしょう。

教室ビジネスと同じように「自分のスキルや趣味」を活かしやすく、自宅の利用や出張スタイルをとることで開業費用を抑えられるのが大きなメリットです。

ただし一部の業種、たとえば「鍼灸」や「柔道整復師」などを開業するには国家資格が必要なので、この分野で起業を検討している方は注意が必要です。

起業のアイデアを生み出すには

ここまで、さまざまな起業パターンをご紹介してきました。どのビジネスもすでに多くの起業家が取り組んでいる、実績のあるものばかりです。

もちろんまったく同じように起業しても、ある程度成功を収めることは可能でしょう。とはいえ周囲にライバルが多い場合は、「もうひと工夫」のアイデアが欲しいところです。また、もし「ゼロから新しい起業アイデア」を見つけてビジネスにできれば、事業を一気に成長させることも夢ではありません

では、起業のアイデアを生み出すにはどうすれば良いのでしょうか?「自分にはアイデアなんてない」…そう考える方は少なくありませんが、きちんとした手順を知っていれば、起業のアイデア出しは意外と簡単です

それでは、これからアイデア出しの基本的なステップをご紹介します。

ステップ1 自分の強みや得意なことを書き出す

まずは自分を知ることが第一です。だれでも、自分が好きなことや得意なことには根気よく取り組めますし、あまり苦にならないでしょう。

ちなみに自分を知る作業で重要なポイントは、手を動かして実際に書き出してみることです。頭と手を同時に動かすことで、いままで意識しなかった意外な強みを発見できることも少なくありません。

どんなささいなことでも、思いつく限り書き出してみてください。

ステップ2 1の内容と身の回りのビジネスを組み合わせる

次のステップは、書き出した自分の強みや得意分野と、身の回りにある(あるいは自分が知っている)さまざまなビジネスを組み合わせてみることです。

たとえば、「旅行が好きで旅行のプランを立てるのが得意」という強みと「コンサルティング」というビジネスを組み合わせて、「相手に最適な旅行プランを提案する」というアイデアを思いつく…といった具合です。

できるだけたくさんの組み合わせを試してみれば、そのぶん思わぬアイデアが生まれる可能性も高まります

ステップ3 そのサービスを利用する人がいるかどうか考える

どんなに斬新なアイデアも、だれにも必要とされなければビジネスになりません。

ですからアイデアを思いついたら、そのサービスを利用してくれる人がいるか、つまり「そのビジネスに需要があるか」を考えてみましょう。

・そのサービスを利用するのはどんな人か?
・どんなときに利用するか?
・何回ぐらい利用するか?
・代わりになるようなサービスはあるか?
・そのサービスに(自分なら)いくら出すか?

こうした検討を繰り返すことで、ただの「アイデア」が現実的な「ビジネス」に変化していきます。

もし単独のアイデアで上手くいかないなら、いくつかのアイデア同士をかけ合わせてみるのも有効です。あきらめずに、とにかく数多く検討を重ねてみてください。

アイデアがなくても起業を成功させるには

ここまでに説明したのは、アイデアの基本的な出し方です。世の中には他にもたくさんの「発想法」や「アイデアトレーニング」がありますから、興味がある方はぜひ調べてみてください。

とはいえ実際のところ、大抵のアイデアはすでに誰かが一度は検討しているものです。自分が知らないだけで、そのアイデアを使ったビジネスはすでに存在しているかもしれませんし、成功しないことが証明されているかもしれません。

でも起業をあきらめる必要はありません。だれも思いつかないような斬新なアイデアがなくても、起業は可能です。むしろ斬新な新規ビジネスを始めるより、「すでに世の中で成功しているビジネスに取り組む」ほうが成功しやすいこともあります

その典型的な例が、フランチャイズを活用した起業です。

たとえば「コンビニエンスストア」を思い浮かべてください。日本中どの地域に行っても営業している、見慣れた看板のコンビニ。ある意味、究極の「ありふれたビジネス」と言えるでしょう。それでもコンビニは増え続けていますし、新規出店にもかかわらず大繁盛しているところも少なくありません。しかもコンビニオーナーのほとんどは、それまで小売業界が未経験という人たちです。

ではなぜ繁盛(成功)できるのでしょうか?

それはコンビニチェーン全体の膨大なデータとノウハウが「マニュアル化」されているためです。また取り扱う商品・サービスが洗練され完成されていることも、大きな理由といえます。こうした特徴は、もちろん他のフランチャイズにも当てはまるものです。

お弁当屋、クリーニング店、居酒屋、清掃業、不動産仲介業など業種やジャンルが違っても、多くのフランチャイズでは未経験者向けのマニュアルや、実績があって売れやすい商品・サービスを用意しています。

中には、このフランチャイズのように、本部が営業代行や営業支援をしてくれるところもあります

もちろんフランチャイズで起業するには加盟料やロイヤリティが発生しますが、ほとんどの人にとって、成功できるかどうか未知数の新規アイデアで起業するよりも、成功実績が豊富なフランチャイズを利用したほうが有利なのは間違いないでしょう。

起業すること…特に会社勤めをしている人が独立開業することは、人生の中で大きなターニングポイントです。人生の節目を無事に成功させるためにも、今回の記事を参考にしながら、自分にとって一番良い起業パターンをじっくり考えてみてください。